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リフォーム会社の見積作成を標準化|担当者ごとのバラつきをAIでなくす方法

2026-06-30よりどころべーす編集部
リフォーム見積標準化AI業務システム業務改善

先に、要点をまとめます。

  • 見積のバラつきは能力差ではなく、判断根拠が担当者個人の頭の中とバラバラのExcelにしか残っていないことが原因です
  • バラつきは「今回はちょっと厳しかった」で見過ごされやすいが、施工件数を掛け合わせると年間の利益を静かに削っています
  • 標準化とは現場の柔軟さを奪うことではなく、判断の「出発点」を全員で共有することです
  • 過去の施工実績からAIが見積ドラフトを生成すれば、出発点の差を縮めながら作成時間も圧縮できます
  • 発注前に、自社データの量と現場が入力を続けられる画面かどうかを確認しておくと導入後のギャップが減ります

同じような内容のリフォームなのに、担当者が変わると見積金額が10万円も20万円も違う。ベテランが出すと利益が残るのに、若手が出すと現場で「これでは足りない」となって赤字になる。あるいは、安全側に振りすぎて高い見積を出し、相見積もりで負けてしまう。リフォーム会社の経営者・現場責任者の方から、こうした「見積のバラつき」の話を本当によく伺います。

見積は、会社の利益が決まる最初の関門です。ここが人によってバラつくということは、利益も受注率も「誰が担当したか」という運任せになっているということです。この記事では、見積のバラつきがなぜ起きるのかを分解したうえで、費用感や導入手順、比較のポイントまで含めて、AIを使って見積ドラフトの精度を揃え、属人化から抜け出す現実的な道筋を整理します。煽るためではなく、発注を検討している方が落ち着いて判断できる材料をお渡しするのが目的です。

なぜリフォームの見積は担当者ごとにバラつくのか

バラつきの主な原因は「人の能力差」よりも、判断の根拠が一人ひとりの頭の中にしかないことにあります。仕組みがなければ、優秀な人を採用してもバラつきは消えにくいままです。

リフォームの見積は、新築のように決まった図面と数量があるわけではありません。現地を見て、既存の状態を読み、どこまで手を入れるかを判断し、過去の似た工事の感覚を頼りに金額を組み立てます。この「過去の似た工事の感覚」こそが、ベテランの頭の中にだけ蓄積された見えない資産です。

問題は、その資産が共有されていないことです。ある職人さんへの発注単価、解体してみたら追加が出やすい築年数の傾向、この材料はこの数量で足りるという経験則。これらが個人の記憶や、その人だけのExcelに散らばっています。だから担当が変われば前提が変わり、同じような工事でも金額が変わる。経験の浅い担当者は参照できる基準がないため、根拠の薄い数字を置くしかなく、それが赤字や失注につながりやすくなります。

つまりバラつきは、担当者の真面目さや能力の問題というより、会社として見積の「型」を持っていないことの表れです。

バラついた見積が会社に与える具体的なダメージ

安く出せば赤字、高く出せば失注。どちらに転んでも利益を削るうえに、原因が見えないまま繰り返されるのが一番の損失です。

バラつきの怖いところは、損失が分散して見えにくい点にあります。1件あたり数万円の読み違いは、その場では「今回はちょっと厳しかった」で済んでしまいます。しかし年間の施工件数を掛け合わせれば、本来残るはずだった利益が静かに消えていきます。

さらに見積作成そのものに時間がかかっている会社も多くあります。1件の見積を仕上げるのに半日、現地調査から書類化まで含めれば1日仕事ということも珍しくありません。担当者はその時間を、本来なら次の商談や現場の段取りに使えたはずです。見積に追われて受注機会を逃すのは、それ自体が見えにくいコストです。

この負担は、人手不足の文脈でも見過ごせません。国土交通省が総務省「労働力調査」をもとにまとめた資料によると、2024年時点で建設業就業者のうち55歳以上が約36.7%を占める一方、29歳以下は約11.7%にとどまり、全産業平均(55歳以上約32.4%、29歳以下約16.9%)と比べて高齢化が進んでいます。リフォーム会社も例外ではなく、見積を一手に担えるベテランが引退したとき、その判断基準ごと失われるリスクを抱えています。見積のバラつきは、今日の利益だけでなく、数年後の事業継続にも影を落とす課題なのです。

「標準化」は見積を機械的にすることではない

標準化とは、ベテランの判断基準を会社の共有資産に変え、誰が出しても一定の精度に近づけることです。現場ごとの柔軟さを奪うものではありません。

標準化と聞くと、「うちの工事は一件ごとに事情が違うから、テンプレートには当てはめられない」と感じる方がいます。これはもっともな懸念です。実際、リフォームは現場ごとの個別判断が価値の源泉であり、すべてを定型化することはできません。

ここで目指す標準化は、判断そのものを縛ることではありません。判断の「出発点」を揃えることです。たとえば、過去の似た工事ではこの単価帯だった、この工程は標準でこれだけの人工がかかる、といった共通の土台を全員が同じ場所から参照できるようにする。そのうえで、現場固有の事情は担当者が上乗せして調整します。土台が共有されていれば、経験の浅い担当者でもベテランに近い出発点から議論を始められます。ゼロから感覚で組むのとは出発点がまったく違います。

紙の見積マニュアルや単価表を整備する取り組みは以前からありました。ただ、紙や固定の表は更新が追いつかず、結局使われなくなりがちでした。標準化は、最新の実績が自動で反映され続ける「生きた基準」にして初めて機能します。

過去の施工実績からAIが見積ドラフトを生成する仕組み

AIは、自社に蓄積された過去の見積・施工データから類似案件を探し出し、見積のたたき台を自動で作ります。ベテランの頭の中の基準を、全員が使える形にするのがAIの役割です。

ここでAIが効いてくるのは、まさに「過去の似た工事を探して、そこから金額を組み立てる」という、これまでベテランが頭の中でやっていた作業です。よりどころべーすの業務システムでは、自社が過去に作成した見積・施工実績をデータとして蓄積し、新しい案件の条件(工事種別・部位・面積・既存の状態など)を入れると、AIが類似の過去案件を参照して見積ドラフトを生成します。

大事なのは、これが「どこかの相場」ではなく「自社の実績」に基づく点です。御社が実際に出してきた単価、御社が付き合っている職人さんへの発注額、御社が経験してきた追加工事の傾向。それらを学習元にするので、出てくるドラフトは御社の現実に近い数字になります。担当者はそのドラフトを土台に、現場の事情を加味して仕上げる。ゼロから書くのではなく、おおよそ形になった下書きを確認・修正する作業に変わります。

これにより、見積作成の時間が圧縮されるだけでなく、経験の浅い担当者とベテランの出発点の差が縮まります

リフォーム見積の属人的な状態とAI活用後を比較する図。左は担当者ごとに判断がバラバラで金額が安定しない状態、右はAIが過去実績から類似案件を抽出し見積ドラフトを生成することで、誰が出しても一定の精度に近づく状態を示す。リフォーム見積の属人的な状態とAI活用後を比較する図。左は担当者ごとに判断がバラバラで金額が安定しない状態、右はAIが過去実績から類似案件を抽出し見積ドラフトを生成することで、誰が出しても一定の精度に近づく状態を示す。

。AIが拾った類似案件の根拠もあわせて表示できるため、「なぜこの金額なのか」を社内で説明・検証できるようになり、見積がブラックボックスから脱します。データが溜まるほど参照できる事例が増えていくのも、紙の単価表にはない強みです。完成した見積データは案件・顧客管理ともつながり、受注後の原価管理まで一本の流れにできます。原価の見える化については建設業の原価をリアルタイムで把握する方法もあわせてご覧ください。

なお、AIが出すのはあくまでドラフトであり、最終判断は人が行います。AIが過剰に楽観的な数字を出していないか、現場の特殊事情を見落としていないかを担当者がチェックする工程は残します。AIに丸投げするのではなく、人の判断を速く・確かにするための道具として位置づけるのが、無理のない使い方です。

見積標準化にかかる費用感の目安はどれくらいか

業務システムとして見積AIを組み込む場合、ライトプランで298万円〜、AI見積作成を含むフルプランで450万円からが目安になります。加えて月額の保守費用が発生します。

見積のバラつきを解消する手段は一つではありません。安価なテンプレート共有ツールを使う方法もあれば、業務システム全体を作り込む方法もあり、費用のレンジは大きく変わります。ここでは代表的な選択肢ごとに、費用のかかり方の内訳を整理します。

  • Excelテンプレート・単価表の整備(自社運用): 費用はほぼ人件費のみですが、更新が属人化しやすく、標準化として機能し続けるかは運用次第です
  • 汎用の見積作成SaaS(月額数千円〜数万円): 導入は早いものの、自社独自の項目や案件管理・原価管理との連携は限定的で、結局Excelとの二重管理になりがちです
  • 業種別パッケージ+スクラッチのカスタマイズ納品: 初期費用が数百万円単位でかかりますが、案件管理・工程管理・アフターフォローまで含めて自社の業務フローに合わせ込めます

業種別パッケージ型の場合、内訳のイメージは次のようになります。案件管理・工程管理・社内AIチャットボットなどの基本機能を含むライトプランが298万円から、そこにAI見積作成連携やワークフロー自動化、勤怠・シフト管理を加えたフルプランが450万円から、AI需要予測やカスタムダッシュボードまで含むプレミアムプランが750万円からという構成です(いずれも税別)。導入後は月額10万円〜の保守費用がかかり、この中に運用改善の伴走支援が含まれます。

金額だけを見ると汎用SaaSのほうが安く感じますが、比較すべきは初期費用だけではありません。見積作成の時間短縮、赤字案件の削減、属人化リスクの低減という効果を、自社の施工件数でどれだけ回収できるかで判断するのが実務的です。たとえば1件あたりの見積作成時間が半日から1時間に縮まれば、月10件の見積を出す会社なら月35時間前後の担当者の時間が浮く計算になります。この時間を商談や現場の段取りに回せると考えれば、投資回収の見立てが立てやすくなります。

導入までの流れと期間の目安

要件整理から公開まで、最短1.5ヶ月程度が目安です。ただし過去データの棚卸しにどれだけ時間をかけるかで、実質的な立ち上がりの速さは変わります。

見積AIを含む業務システムの導入は、おおむね次の流れで進みます。

  • 要件整理・ヒアリング(1〜2週間): 現状の見積フロー、使っている工事種別・部位の分類、過去データの保管状況を洗い出します。エンジニアが直接ヒアリングすることで、営業と開発の間で仕様の解釈がずれるリスクを抑えます
  • 画面・データ設計(2〜3週間): 案件管理・見積ドラフト生成・工程管理などの画面構成と、見積データの項目設計を固めます。この段階でデモ画面を見ながら現場の使い勝手を確認できると、後工程の手戻りが減ります
  • 開発・データ移行(2〜4週間): システムを構築しながら、過去の見積・施工実績を新しい基盤に取り込みます。全件を遡及入力するのではなく、直近の実績や件数の多い工事種別から優先的に移行するのが現実的です
  • 試験運用・公開(1〜2週間): 一部の案件や担当者から試験的に運用を始め、入力のしやすさや見積ドラフトの精度を確認したうえで全社展開します

最短ルートであれば、要件整理から公開までを1.5ヶ月程度に収めることも可能です。ただし、この期間はあくまでシステム構築側の話であり、実質的な立ち上がりの速さを左右するのは過去データの整理状況です。見積書や請求書がすでにデジタルで保管されているか、紙が中心で入力から始める必要があるかによって、AIが精度の高いドラフトを出せるようになるまでの期間は変わってきます。

汎用SaaSと業務システムの作り込み、何が違うのか

汎用の見積SaaSは導入の速さと引き換えに、自社独自の項目や他業務との連携が犠牲になります。業務システムの作り込みは初期費用と引き換えに、業務フロー全体を一つの基盤に載せられます。

見積の標準化を検討する際によく比較の俎上に載る3つの選択肢を、判断軸ごとに整理します。

判断軸Excel・紙の単価表汎用の見積作成SaaS業種別パッケージ×スクラッチ
初期費用ほぼゼロ低い(月額課金が中心)中〜高(数百万円単位)
自社独自の項目・帳票への対応自由だが属人的限定的(型に業務を合わせる)対応可能(現場の帳票に合わせて設計)
過去実績からのAIドラフト生成不可製品によるが限定的対応可能(自社データを学習元にする)
案件管理・原価管理との連携別管理になりやすい別ツールとの連携が必要な場合が多い同一基盤に集約可能
定着のしやすさ更新が止まりやすい現場の言葉と合わないと定着しにくい現場の業務フローに合わせて設計できる
向いている会社少人数・案件数が少ない会社まず小さく試したい会社案件数が多く、属人化の影響が大きい会社

どれが正解ということではなく、自社の案件数・組織規模・属人化の深刻度によって適切な選択肢は変わります。ただし、見積だけを切り出して汎用SaaSで解決しようとすると、案件管理や原価管理との連携で結局二重入力が発生し、標準化の効果が薄まってしまうケースをよく見かけます。見積を含めた業務フロー全体をどう一本化するかを先に考えておくと、選択肢を絞り込みやすくなります。

標準化でよくある失敗パターンと避け方

最も多い失敗は「データが揃うまで待つ」ことと「現場の入力負担を後回しにする」ことです。どちらも、動かしながら直す発想に切り替えると避けられます。

見積の標準化に取り組んだ会社の話を伺うと、うまくいかなかったケースにはいくつかの共通点があります。

  • 完璧なデータが揃うまで着手を先延ばしにする: 「過去の見積が整理できていないから」と準備に時間をかけすぎ、結局手が止まってしまうパターンです。件数の多い工事種別だけを先に整理し、少ないデータからでも運用しながら精度を上げていくほうが現実的です
  • 現場の入力負担を後回しにして設計する: 経営層や事務方の視点だけでシステムを設計すると、現場が使いたがらない画面になりがちです。入力項目が多すぎる、専門用語が現場の言葉と合わない、といった小さなズレが定着を妨げます
  • AIドラフトを鵜呑みにしてしまう: AIが出す数字を「最終回答」として扱ってしまうと、現場の特殊事情を見落としたまま見積を出すリスクが生まれます。AIはあくまで叩き台で、最終確認は人が行うという役割分担を運用ルールとして明文化しておく必要があります
  • 見積だけを独立して導入し、案件・原価管理とつながらない: 見積を出した後の受注・工程・原価の流れと切り離してシステムを入れると、結局データが分断されたままになり、標準化の効果が見積作成の時間短縮だけにとどまってしまいます

これらに共通するのは、「最初から完璧を目指す」ことの落とし穴です。件数の多い工事種別から小さく始め、現場が「これは楽になる」と実感できる体験を先に作ることが、失敗を避ける一番の近道になります。

導入で失敗しないために発注前に確認したいこと

自社の過去データがどれだけ揃っているか、現場が無理なく入力を続けられるか。この2点を発注前に整理しておくと、導入後のギャップが大きく減ります。

AIで見積を揃える仕組みは、過去の実績データが土台になります。とはいえ「データが整理されていないと使えないのでは」と身構える必要はありません。多くのリフォーム会社では、過去の見積書や請求書という形で実績はすでに存在しています。まずは手元にある見積データを棚卸しし、どの工事種別なら十分な件数があるかを把握するところから始めるのが現実的です。データが薄い分野は、運用しながら蓄積していけば問題ありません。

もう一つは、現場が入力を続けられる設計になっているかです。どんなに高機能でも、入力が面倒で現場が使わなければ、データは溜まらず精度も上がりません。よりどころべーすは、御社の実際の業務フローに合わせてカスタマイズして納品するため、現場が普段使っている言葉や項目に寄せた画面にできます。発注前のデモで、自社の担当者が無理なく操作できそうかを実際の画面で確かめておくことをおすすめします。

発注を検討する際によく挙がる不安に、「導入したけれど現場が前のやり方に戻ってしまうのでは」というものがあります。だからこそ、最初から完璧を目指すのではなく、件数の多い工事種別から小さく始めて、現場が「これは楽になる」と実感できる体験を先に作ることが大事です。使われて初めてデータが溜まり、データが溜まって初めて精度が上がる。この順番を外さない設計かどうかを、発注前に確認しておくと安心です。

見積を1件ごとに人手で組み直す状態を続けるか、ベテランの基準を会社の資産にして全員で共有するか。人を1人増やして見積担当を厚くするより、今いる人の判断を底上げするほうが、長く効く投資になることも少なくありません。導入後の顧客フォローまで含めた流れはリフォーム後のアフターフォローを仕組み化する方法も、見積後の案件管理まで含めた全体像はリフォーム業の案件管理・見積作成をAIで効率化する方法も参考になります。

私たちなら見積の標準化基盤をこう設計する

ここまでは、見積のバラつきがなぜ起きるか、標準化とはどういうことか、費用や導入の流れという一般論を解説してきました。ここからは、私たちが実際にリフォーム会社様から見積標準化の基盤構築を受託するとしたら、どう設計するかを具体的に書き下ろします。あくまで一般化した設計方針であり、実際の項目名や画面構成は貴社の帳票・業務フローに合わせて詰めていく前提でお読みください。

データ設計: 案件マスタ×工事種別マスタ×見積実績の3層構造

土台になるのは、「案件マスタ」「工事種別・部位マスタ」「見積・施工実績」を分けて設計することです。案件マスタには顧客情報・現場住所・案件のステータス(問い合わせ〜完工〜アフター)を持たせ、工事種別・部位マスタにはキッチン・浴室・外壁・屋根といった工事区分ごとの標準工程や標準単価帯を持たせます。そのうえで見積・施工実績を「案件ID×工事種別ID×施工日」をキーに紐づけると、1件の見積が「どの案件の、どの工事区分の、過去のどの実績に近いか」まで一意にたどれるようになります。案件管理システムに標準搭載する問い合わせ〜完工〜アフターの案件情報と同じ基盤に見積実績を載せることで、案件を1つ開けば見積の経緯と施工の進捗が同時に見える状態になり、担当者が変わっても引き継ぎのたびに別のExcelを探す必要がなくなります。

情報の流れ: 現場調査した担当者が入力し、AIがドラフトを返し、上長が確認する

情報の流れは役職ごとに設計します。現地調査を行った担当者は、工事種別・部位・面積・既存の状態といった条件をその場でスマホやタブレットから入力します。この入力をトリガーに、AIが過去の類似案件を参照して見積ドラフトを生成し、担当者の画面に返します。担当者はドラフトを土台に現場固有の事情を加味して仕上げ、金額の大きい案件や初めて扱う工事種別については、上長が承認する運用にします。承認済みの見積とその後の施工実績は自動的に案件管理に蓄積され、次の類似案件のドラフト精度を上げる学習データにもなります。工程管理の画面では、この案件がどの段階にあるかをガントチャートで可視化できるため、見積から着工までの停滞も上長が早期に発見できます。

AIの回答設計: 見積の根拠を質問すれば類似実績ごと返す

社内AIチャットに見積・施工実績データを接続すると、担当者や上長が「なぜこの金額なのか」を自分で過去の案件を掘り返さなくても確認できるようになります。たとえば経験の浅い担当者が「築25年の戸建てのキッチンリフォーム、システムキッチン交換と床の張り替えを含む見積の相場感を教えてください」とAIチャットに尋ねたとします。AIは過去の類似案件(工事種別・面積・築年数が近いもの)を検索し、「過去6件の類似案件では110万円〜140万円のレンジで、平均は124万円でした。床下の状態によって解体後に追加が発生した案件が2件あり、追加分の平均は8万円でした」といった回答を、根拠となる過去の見積・施工実績データとともに返します。この回答は担当者の勘や記憶ではなく、蓄積された見積・施工実績という一次データそのものを根拠にしているため、社内での説明にもそのまま使えます。同様に「この職人さんへの過去の発注単価は」「この工事種別で追加が出やすい築年数の傾向は」といった質問にも、同じ仕組みで即答できる設計です。

権限・運用ルール: 入力は現場、承認は上長、単価基準の見直しは定例で

見積データは会社の利益構造そのものに関わる機微な情報のため、権限設計も欠かせません。基本の考え方は「入力・ドラフト確認は現場担当、金額の大きい案件や特殊案件の承認は上長」という2段階です。現場担当は自分が担当する案件の見積は編集できても、他の担当者の見積の単価そのものを書き換えることはできないようにし、上長は担当エリア全体の見積を横断して確認・承認できるようにします。あわせて、工事種別マスタの標準単価帯を月次や四半期に一度、直近の実績値で見直す運用ルールを最初から組み込んでおくと、単価基準が実勢とずれたまま放置される事態を防げます。この見直しの際に使うのが、次に説明するダッシュボードです。

上の設計を支える画面イメージとして、実際のデモ画面(サンプルデータ)を見ながらのほうがイメージが湧きやすいかもしれません。

よりどころべーすのリフォーム向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。進行案件・今月着工・顧客満足度のKPIカード、着工件数の月次推移グラフ、担当者別の直近タスク一覧、そして「キッチンリフォームの相談件数が増加傾向」というAIインサイトの提案文が1画面にまとまっている。よりどころべーすのリフォーム向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。進行案件・今月着工・顧客満足度のKPIカード、着工件数の月次推移グラフ、担当者別の直近タスク一覧、そして「キッチンリフォームの相談件数が増加傾向」というAIインサイトの提案文が1画面にまとまっている。

上の画面は、よりどころべーすのリフォーム向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)です。進行案件数や今月の着工件数、顧客満足度といったKPIカードで全体状況を一目で把握し、月次の着工件数推移グラフで繁閑の波を確認し、担当者ごとの直近タスク一覧で「完工報告書作成」「顧客アンケート送付」といった対応漏れを防ぎ、AIインサイトが「キッチンリフォームの相談件数が増加傾向。事例写真の追加とキャンペーン実施を推奨」のように、業務データから次の一手を提案します。ここに写っている項目名や数値はあくまでサンプルですが、実際の構築では、この骨格を土台に貴社の案件管理・見積フローに合わせて項目とワークフローを組み替えていきます。

既存環境との連携・移行: 今の見積書・請求書を捨てずに段階的に載せ替える

すでに手元にある見積書や請求書のExcel・PDFをゼロから作り直す必要はありません。移行の現実的な進め方は、直近の実績と件数の多い工事種別(キッチン・浴室など)から新しい基盤に取り込み、件数の少ない工事種別は運用しながら都度追加していく方式です。既存のExcelから新基盤へは、工事種別・面積・金額といった列がそのまま移行先の項目に対応するよう項目設計を合わせておくと、取り込み時の手戻りを抑えられます。現場が使い慣れた見積書の書式がある場合は、その書式に近い出力形式にすることで、切り替えの心理的なハードルも下げられます。

こうした「案件×工事種別×時系列のデータ設計」「現場入力からAIドラフト、上長承認までの流れ」「根拠データ付きのAI回答」「今の見積書を捨てない段階移行」は、汎用の見積作成SaaSや点在する既製ツールを組み合わせるだけでは、貴社の帳票や承認フローにぴったり合わせ込むことが難しい領域です。パッケージの型に業務を合わせるのではなく、業種別パッケージを基盤にしながら、こうした自社独自の項目・権限・承認フローの部分だけをスクラッチで追加できるのが、よりどころべーすの設計思想です。エンジニアが直接ヒアリングして仕様に落とし込むため、営業と開発の間の伝言ゲームで「言った・言わない」の認識ズレが起きる心配もありません。ここに書いた設計はあくまで一般化した叩き台であり、実際には貴社の見積フォーマットや承認フローに合わせて、要件整理から一緒に詰めていくことになります。

よくある質問

Q. AIが出す見積ドラフトの精度はどれくらい信頼できますか?

自社の過去実績を学習元にするため、一般的な相場情報より現実に近い数字が出やすい設計です。ただし最終的な精度は、蓄積されている過去データの件数と質に左右されます。件数の少ない工事種別では参照できる類似案件が少なく、ドラフトの精度も相応に下がります。だからこそ、AIドラフトは最終回答ではなく叩き台と位置づけ、現場の特殊事情を担当者が確認・調整する工程を残す設計にしています。

Q. 過去の見積データが紙やバラバラのExcelしかなくても導入できますか?

導入できます。多くのリフォーム会社では、過去の見積書や請求書という形ですでに実績データは存在しています。全件を最初から入力する必要はなく、件数の多い工事種別や直近の実績から優先的に取り込み、データが薄い分野は運用しながら蓄積していく進め方が現実的です。発注前の要件整理の段階で、どの工事種別から始めるかを一緒に整理します。

Q. 導入後、現場が結局使わなくなるのが心配です

多くの会社が同じ不安を抱きます。対策は、現場の入力負担を最小限にする画面設計と、件数の多い工事種別から小さく始めて「楽になった」という実感を早く作ることです。よりどころべーすは御社の業務フローに合わせてカスタマイズして納品するため、現場が普段使っている言葉や項目に画面を寄せられます。発注前のデモで、実際の担当者が操作しても違和感がないかを確認しておくことをおすすめします。

よりどころべーすでは、リフォーム会社の見積のバラつきという課題に合わせた業務システムを、貴社の業務フローに合わせて構築します。過去の施工実績からAIが見積ドラフトを生成する画面を、実際のデモで15分ほどご覧いただけます。「うちのデータでも動くのか」「現場が使えるのか」といった発注前の不安は、画面を見ていただくのが一番の近道です。よりどころべーすで対応できる範囲はリフォーム会社向けAI業務システムのページにまとめています。まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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