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管理戸数を増やしても人を増やさない|不動産管理会社が業務を仕組み化する方法

2026-06-20よりどころべーす編集部
不動産管理管理戸数業務効率化仕組み化人手不足

「管理戸数をもっと増やしたい。でも、今の人員ではこれ以上受けきれない」――賃貸・マンション管理会社の経営者や管理責任者から、こうした声をよく伺います。新しいオーナーから管理を打診されても、入居者対応やオーナー報告に追われる現場を見ると、安易に「受けます」とは言えない。かといって人を増やそうにも、採用は思うように進まない。この板挟みが、いま多くの管理会社の成長を止めています。

本記事は、個別の業務を一つひとつ効率化する各論ではなく、「管理戸数を増やしても人を増やさずに済む状態」をどうつくるか、という経営視点の総括として整理しました。入居者対応・オーナー報告・修繕・期日管理という管理業務の柱を、属人的な対応から「仕組み」へ移すための考え方と進め方をまとめています。発注を検討しているものの踏み切れない方が、自社の現状と照らし合わせて判断できるようにすることを狙いとしています。

なぜ「管理戸数は増やせるのに人は増やせない」のか

管理戸数の拡大余地はあるのに人員が追いつかない、という構造は、不動産管理業全体の人手不足を背景にしています。まず自社だけの問題ではないと認識することが、対策の出発点になります。

賃貸管理は、物件数(管理戸数)が増えるほど、入居者からの問い合わせ・修繕の手配・契約更新・オーナーへの報告といった業務量が積み上がる構造です。1人が担当できる戸数には現実的な上限があり、戸数を伸ばすにはどこかで人を増やすか、業務の生産性を上げるかの二択になります。

ところが採用と定着の環境は楽ではありません。厚生労働省の「雇用動向調査」(令和5年・2023年)によると、不動産業・物品賃貸業のパートタイム労働者は離職率が入職率を上回り(入職超過率がマイナス)、一般労働者でも入職と離職がほぼ拮抗しています。人材が大きく純増しにくく、定着が容易ではない業界であることがうかがえます(出典: 厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概要」、https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/index.html )。一方で、全国賃貸住宅新聞が2025年に実施した管理戸数の実態調査では、回答企業のうち管理戸数が「増えた」が58.9%、「横ばい」が26.1%、「減った」が15.0%と、戸数を伸ばす会社が多数を占めています(出典: 全国賃貸住宅新聞「管理戸数ランキング2025、管理『減少』15%に上昇」、https://www.zenchin.com/news/content-4572.php )。

つまり、業界全体として「戸数を増やしたいニーズはあるのに、それを支える人手は確保しづらい」という状況にあります。だからこそ、人を増やすことを前提にしない成長設計、すなわち一人あたり管理戸数を引き上げる仕組み化が、経営テーマとして浮上しているのです。

仕組み化すべきは「4つの柱」

管理業務は数多くありますが、人を増やさずに戸数を伸ばすうえで効くのは、入居者対応・オーナー報告・修繕・期日管理の4つです。この4つを属人対応から仕組みへ移すことが、一人あたり管理戸数を左右します。

なぜこの4つかというと、いずれも「戸数に比例して件数が増え」「担当者の経験や記憶に依存しがちで」「対応が遅れるとオーナーや入居者の信頼を直接損なう」という共通点を持つからです。一つずつ見ていきます。

  • 入居者対応: 設備故障、騒音、契約に関する質問など、日常的に発生する問い合わせです。夜間や休日の一次対応も発生し、担当者ごとに回答の質や速さがばらつきやすい領域です。
  • オーナー報告: 月次・年次の収支報告は、戸数が増えるほど作成負担が膨らみます。賃貸住宅管理業法(第20条)では、管理受託契約に基づく委託者(オーナー)への定期的な報告が管理業者の義務として位置づけられており、避けては通れない業務です(出典: 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」、https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/ )。
  • 修繕: 「前回いつ、どの業者が、いくらで直したか」という履歴が紙やExcel、担当者の記憶に分散すると、見積の妥当性判断や再発対応が遅れます。
  • 期日管理: 契約更新、火災保険、消防点検、設備の法定点検など、戸数に比例して期日が増え、抜け漏れが事故やクレームに直結します。

この4つを「担当者が頑張って覚えて回す」状態のままでは、戸数を増やすほど現場が疲弊しやすくなります。逆に言えば、ここを仕組みに載せ替えられれば、同じ人数でも受けられる戸数の天井は上がっていきます。

「仕組み化」とは具体的に何をすることか

仕組み化とは、業務を「人の記憶と判断」から「データと手順」に置き換えることです。AIは魔法ではなく、この置き換えを現場が無理なく続けられるよう支える道具と捉えると、過度な期待も過度な不安も避けられます。

発注をためらう方の多くは、「AIや業務システムを入れても、結局うちの複雑な業務には合わないのではないか」「現場が使いこなせず、宝の持ち腐れになるのではないか」という不安を抱えています。これは正当な懸念です。だからこそ、仕組み化は次の3段階で考えると現実的です。

  • 情報を一か所に集める: 入居者・物件・オーナー・修繕履歴・契約期日といった情報がバラバラに散っている状態を、まず一元化します。これが土台で、ここが弱いとAIも正しく機能しません。
  • 繰り返しの作業を自動化する: 収支報告書のドラフト作成、よくある問い合わせへの一次回答、期日が近づいた契約のアラートなど、毎回同じ判断で済む作業を仕組みに任せます。よりどころベースでは、社内AIチャットやAI書類作成、ワークフロー自動化でこの部分を担います。
  • 人は判断と関係づくりに集中する: 自動化で空いた時間を、オーナーとの折衝やトラブルの本質的な解決、新規受託の対応など、人にしかできない業務に振り向けます。

重要なのは、最初から全部を自動化しようとしないことです。自社の業務フローのうち「件数が多く・判断が定型的で・遅れると痛い」ところから着手するのが定石です。各業務を具体的にどう仕組み化するかは、入居者対応については入居者からの一次対応をAIで仕組み化する方法で、契約更新や点検などの抜け漏れ防止については契約更新・点検の期日管理を仕組み化する方法で、それぞれ掘り下げています。

仕組み化で本当に「一人あたり管理戸数」は上がるのか

仕組み化の成果は「作業時間の削減」そのものより、「同じ人数で受けられる戸数の上限が上がること」で評価すると、投資判断がしやすくなります。回収は、人を1人増やす場合のコストと比較して考えるのが現実的です。

ここで、効果を誇張しないことが大切です。「業務が半分になる」「残業がゼロになる」といった断定的な数字は、現場ごとに前提が違いすぎて約束できるものではありません。代わりに、経営判断に使える比較の軸を示します。

たとえば管理担当者を1人採用すると、給与・社会保険・採用コスト・教育期間を含め、相応の固定費が継続的に発生します。しかも前述のとおり、採用できても定着するとは限りません。一方で、入居者対応・報告・修繕・期日管理の仕組み化によって、既存の担当者が扱える戸数が増えれば、その分の受託拡大を「人を増やさずに」吸収できる可能性が高まります。投資の回収は「業務が何時間減ったか」ではなく、「人を1人増やさずに、何戸ぶんの成長を支えられたか」で捉えるほうが、経営の実感に近いはずです。

加えて見落とされがちなのが、品質の安定という効果です。担当者の経験に依存していた対応がデータと手順に載れば、ベテランが急に抜けても業務が止まりにくくなります。オーナー報告の漏れや期日の抜けが減ることは、賃貸住宅管理業法が求める適正な業務運営の観点でも、また管理委託の継続・新規受託の信頼基盤としても、戸数拡大を下支えします。

失敗しない進め方|小さく始めて広げる

最初から全社一斉・全機能導入を狙うと、現場が混乱して頓挫しやすくなります。1つの業務、1つのチームから小さく始め、効果を確かめながら広げるのが、最も失敗の少ない道です。

業務システムの導入でつまずく典型は、「立派な仕組みを一気に入れたが、現場の実際のフローと噛み合わず使われなくなる」というものです。これを避けるには、次の順番が有効です。

  • 現状の棚卸し: どの業務に時間が取られ、どこで抜け漏れが起きているかを可視化する。たいてい4つの柱のどこかに偏っています。
  • 一点突破: 最も負担の大きい1業務(多くの場合、入居者対応かオーナー報告)から仕組み化する。
  • 現場での検証: 実際の担当者が無理なく使えるか、自社の業務フローに沿っているかを確かめる。
  • 横展開: 効果が見えたら、残りの柱や他チームへ広げる。

よりどころベースは既製の業務システムをそのまま渡すのではなく、業種別のパッケージをベースに、貴社の管理フローに合わせてカスタマイズして納品する形をとっています。だからこそ、「うちのやり方には合わない」という、最も多い不安に向き合いやすい設計です。最短1.5ヶ月ほどを目安に公開できるため、まず一点突破の範囲から試し、手応えを確かめてから広げることもできます。

なお、データを蓄積して活かすタイプの業務は、別記事で個別に掘り下げています。修繕の履歴をどう残し再発対応に活かすかはマンションの修繕履歴をデジタルで残し活用する方法で、戸数が増えるほど負担が膨らむオーナー収支報告の自動化はオーナーへの収支報告を自動で作る仕組みで解説しています。自社で着手しやすいところから読み進めてみてください。

まずは「いま一番きつい業務はどれか」を1つ挙げてみることから始めてください。そこが、人を増やさずに戸数を伸ばす最初の突破口になります。

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よりどころベースでは、賃貸・マンション管理会社の「管理戸数を増やしても人を増やさずに回す」という課題に合わせた業務システムを、貴社の管理フロー(入居者対応・オーナー報告・修繕・期日管理)に合わせて構築します。サービスの全体像は不動産管理会社向けの業務システムのページにまとめていますので、あわせてご覧ください。

まずは実際のデモ画面を15分ほどでご覧いただけます。「うちの業務に本当に合うのか」を確かめるところから、無料相談で一緒に整理しましょう。今の人員のままどこまで戸数を伸ばせそうか、現状を伺いながら一緒に見立てます。無料相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。

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