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賃貸管理会社の入居者問い合わせをAIで一次対応|設備故障・契約更新の電話を減らす方法

2026-06-30よりどころべーす編集部
不動産管理入居者対応AIチャットボット一次対応業務効率化

賃貸管理会社の現場では、入居者からの問い合わせが日々途切れません。「エアコンが効かない」「上の階の音が気になる」「更新の書類はいつ届くのか」。一本一本は数分でも、積み重なると担当者の時間を確実に奪い、本来やるべき提案やオーナー対応が後回しになります。

先に、要点をまとめます。

  • 問い合わせが減らないのは件数の多さより「いつ来るか読めず、対応の質が人に依存している」構造が原因
  • 定型質問はAIが一次対応し、設備故障はAIが受付・整理して人へ引き継ぎ、騒音・クレームは最初から人が対応する、という3分類が現実的な設計
  • 一次対応で終わらせず、修繕手配・オーナー報告まで情報をつなげて初めて効果が出る

この記事では、AIで「一次対応」を自動化し、担当者が本当に必要な対応に集中するための考え方と、発注を検討するときに気になる現実的な疑問にお答えします。煽るための記事ではありません。今ある問い合わせの中身と、どこまで任せられるのかを、一緒に整理していきます。

なぜ入居者問い合わせは「減らない」のか

問い合わせが減らない最大の理由は、件数の多さよりも「いつ来るか読めず、対応の質を人に依存している」点にあります。 設備故障や騒音、契約更新の連絡は、平日の日中だけでなく夜間や休日にも発生します。しかも内容は毎回少しずつ違い、ベテラン担当者の経験と判断に頼って処理されているのが実情です。

この構造は、業界全体の人手不足とも重なります。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」によると、正社員の不足を感じている企業は52.3%にのぼり、1月としては4年連続で5割を超えました(2026年2月20日公表)。賃貸管理は労働集約的な業務が多く、限られた人数で問い合わせ対応を回し続けることが年々難しくなっています。なお、業種別では建設業をはじめ複数の業種で6割を超えており、人手の確保が現場ごとに重い課題になっていることがうかがえます。

加えて、入居者の多様化も対応の負荷を押し上げています。出入国在留管理庁の発表によれば、2025年末時点の在留外国人数は412万5,395人で、前年末比9.5%増となり、初めて400万人を超えました(2026年3月公表)。地域や物件によっては、多言語での一次対応が必要になる場面も今後増えていくと考えられます。

つまり、問い合わせ対応の負担は「がんばって件数を減らす」ことでは解決しません。来るものは来ます。鍵になるのは、来た問い合わせをどう仕分け、どこを人が担い、どこを仕組みに任せるかという設計です。管理戸数が増えるほど、この仕分けの設計が回るかどうかが、担当者を増やさずに対応できるかを左右します。

一次対応の「自動化できる部分」と「人がやるべき部分」を切り分ける

すべてをAIに任せるのではなく、定型的な一次対応をAIが担い、判断と謝意を要する対応を人が引き受ける――この線引きが現実的で、失敗しにくい設計です。 ここを曖昧にしたまま導入すると、「結局すべて折り返しになって楽にならない」という、コールセンター外注でもよく聞く落とし穴にはまります。

賃貸管理の問い合わせは、おおむね次のように切り分けられます。

  • AIが一次対応しやすいもの:「更新の流れと必要書類」「ゴミ出しのルール」「設備の型番や使い方」「駐車場・駐輪場の手続き」「家賃の引き落とし日」など、答えが決まっている定型質問
  • AIが受付・整理だけ担い、人へつなぐもの:「エアコンが動かない」「水が漏れている」といった設備故障。状況・部屋番号・発生時刻をAIが聞き取って整理し、担当者や提携業者へ正確に引き継ぐ
  • 最初から人が対応すべきもの:騒音・近隣トラブル・クレームなど、感情のケアや個別判断が必要なもの
入居者からの問い合わせを、AIが一次対応する定型質問、AIが受付・整理して担当者へ引き継ぐ設備故障連絡、最初から人が対応すべき騒音・クレームの3種類に振り分ける決定図。振り分け後は担当者が状況把握済みの状態で対応できることを示す。入居者からの問い合わせを、AIが一次対応する定型質問、AIが受付・整理して担当者へ引き継ぐ設備故障連絡、最初から人が対応すべき騒音・クレームの3種類に振り分ける決定図。振り分け後は担当者が状況把握済みの状態で対応できることを示す。

ポイントは、AIに「答えさせる」だけでなく「聞き取って整理させる」役割を持たせることです。設備故障の連絡では、入居者が混乱して要点が抜けがちですが、AIが必要事項を順に確認しておけば、担当者は最初から状況を把握した状態で動けます。これだけでも、折り返しの電話で何度も状況を聞き直す手間がなくなります。

「うちの入居者は高齢者が多く、チャットなんて使わない」という懸念もよく伺います。その場合は、入口を電話の自動音声やSMS、あるいは管理会社の窓口対応の裏側支援(オペレーターが見る回答候補をAIが提示する)に寄せることもできます。入口の形は、入居者層に合わせて設計するものです。

「うちの問い合わせ内容で本当に回るのか」という不安に答える

結論から言えば、回るかどうかは「AIの賢さ」ではなく「貴社の過去の問い合わせと回答をどれだけ学ばせられるか」で決まります。 汎用のチャットボットが頼りなく感じられるのは、貴社の物件・契約・ルールを知らないまま一般論を返すからです。

よりどころべーすのAIチャット(業種ナレッジbot)は、貴社が実際に使っている賃貸借契約書のひな型、物件ごとのルール、過去の問い合わせ対応履歴、よくある質問への回答文を読み込ませて構築します。いわば「ベテラン担当者の頭の中」を、貴社専用のナレッジとして形にするイメージです。だからこそ、「この物件のペット規約は」「この契約の更新料は」といった、貴社固有の質問にも沿った回答ができます。

それでも、導入前の不安は具体的に持っておくべきです。よく挙がる疑問に、正直にお答えします。

  • 「間違った回答をしたら責任問題になるのでは」――AIが断定すべきでない論点(解約金や原状回復の負担範囲など、トラブルになりやすい論点)は、あえてAIに答えさせず「担当者からご連絡します」と受付に徹する設計にできます。どこを答えさせ、どこを人へ渡すかは、運用しながら調整します。
  • 「導入したら全件AI任せにされて、入居者が冷たく感じないか」――一次対応をAIが担うのは、人の対応を減らすためではなく、人が本当に向き合うべき連絡に時間を割けるようにするためです。クレームや故障対応にむしろ丁寧に対応できるようになる、という位置づけです。
  • 「最初の精度が低かったら使われなくなるのでは」――最初から完璧は目指しません。最初は範囲を絞って答えさせ、実際の質問ログを見ながら回答を足していく。この運用設計込みでお渡しするのが、納品して終わりではない受託の役割だと考えています。

導入前の不安を一つひとつ言葉にして、答えられるものは答え、答えられないものは「ここは人が見ます」と線を引く。この対話そのものが、失敗しない導入設計の出発点になります。賃貸管理会社向けの業務システムをまるごと見直したい場合は、不動産管理会社の入居者対応・修繕管理を効率化する業務システムもあわせてご覧ください。入居者対応と修繕管理の両輪をAIで効率化する全体像は、不動産管理の入居者対応・修繕管理をAIで効率化する方法でも詳しく解説しています。

一次対応だけで終わらせない――管理業務全体へつなげる

AIの一次対応は「問い合わせを受ける入口」ですが、本当に効果が出るのは、そこで整理された情報が修繕手配やオーナー報告までつながったときです。 受け付けただけで情報が分断されていては、結局あとから人が転記する手間が残ります。

たとえば、設備故障の一次対応をAIが受けたら、その内容をワークフロー自動化につなぎ、提携業者への手配依頼や、オーナーへの状況共有のドラフト作成まで一気通貫で流せます。AI書類作成(報告書・連絡文のドラフト生成)やワークフロー自動化、案件・顧客管理の機能を、貴社の業務フローに合わせて組み合わせて納品します。オーナーへの収支報告や、修繕履歴の管理そのものにも紙・Excel運用の限界を感じている場合は、後述する仕組み化の全体像もあわせてご検討ください。

もう一つ大切なのが、可視化です。「どんな問い合わせが、どの物件で、どれくらい来ているのか」を業種別ダッシュボードで把握できると、特定の物件で設備トラブルが頻発している兆候や、更新時期に問い合わせが集中する波が見えてきます。これは、オーナーへの修繕提案や、繁忙期の人員配置を考える材料にもなります。一次対応の自動化は、単なる省力化ではなく、管理の質を上げるためのデータ収集の起点にもなる、ということです。

なお、賃貸住宅管理業は法令上の責任も伴う業務です。国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度では、管理戸数が一定規模(200戸)以上の事業者に登録が義務付けられ、各営業所・事務所への業務管理者の配置などが求められています。AIはあくまで業務管理者や担当者の判断を支える道具であり、最終的な管理責任を肩代わりするものではありません。この前提を踏まえた設計が、安心して使える仕組みづくりの土台になります。

私たちなら入居者一次対応の仕組みをこう設計する

一次対応を「導入して終わり」にしないためには、問い合わせが入ってから解決するまでの一連の流れを、1つの基盤の中で設計する必要があります。ここでは、実際に受託するつもりで、仕組みの中身を具体的に書き下ろします。

データ設計:核になるのは「物件マスタ」「契約マスタ」「問い合わせ履歴」の3つを同じキー(物件ID・部屋番号)で紐づけることです。物件マスタには設備の型番・設置年・過去の修繕履歴を、契約マスタには入居者情報・契約条件・更新日を持たせます。AIチャットが問い合わせを受けたとき、この2つのマスタを参照することで、「この部屋のエアコンは去年交換したばかり」「この契約は更新料が発生しない特約付き」といった、物件固有の文脈を踏まえた一次対応ができます。問い合わせ履歴は、AIが答えた内容・担当者に引き継いだ内容を1件ずつ蓄積し、後述するダッシュボードと回答精度向上の両方の材料にします。

情報の流れ:入居者からの連絡はAIチャットまたは電話の自動音声で受け付け、定型質問はその場で回答、設備故障は状況・部屋番号・発生時刻を聞き取ったうえで管理担当者の画面にタスクとして自動起票します。管理担当者は起票された内容を確認し、提携業者への手配、またはオーナーへの一次連絡を行います。手配後の進捗(業者訪問日・修繕完了日)は担当者が同じ画面で更新し、その履歴がそのままオーナー向け報告書のドラフトに反映されます。所長・管理職は、業種別ダッシュボードで物件横断の問い合わせ傾向とタスクの滞留状況を確認する、という役割分担です。

AIの回答設計:たとえば入居者から「更新料はいくらですか」と聞かれた場合、AIは契約マスタの当該物件・当該契約の特約条項を参照し、「〇〇号室のご契約では、更新料は新賃料の1ヶ月分です(契約書第〇条)」のように、物件・契約単位の正確な数値と根拠条文を添えて回答します。一方で「このままだと退去した方がいいか」といった、個別の意思決定に関わる相談には回答させず、「担当者からご連絡します」と受付にとどめます。答えさせる範囲と担当者へ渡す範囲の線引きは、契約マスタのどの項目をAIの参照範囲に含めるかで制御する設計です。

以下は、よりどころべーすの不動産管理向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)です。

よりどころべーすの不動産管理向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。管理物件数・入居率・今月の修繕依頼件数のKPIカード、修繕対応件数の月次推移グラフ、担当者別の直近タスク一覧、給湯器関連の修繕依頼増加を指摘するAIインサイトが1画面に表示されている。よりどころべーすの不動産管理向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。管理物件数・入居率・今月の修繕依頼件数のKPIカード、修繕対応件数の月次推移グラフ、担当者別の直近タスク一覧、給湯器関連の修繕依頼増加を指摘するAIインサイトが1画面に表示されている。

このデモ画面(サンプルデータ)では、修繕対応件数の月次推移とあわせて、「給湯器関連の修繕依頼が先月比+40%増加しています。予防保全として古い給湯器の計画交換を推奨します」というAIインサイトが表示されています。これは、AIチャットが受け付けた問い合わせ履歴を集計し、傾向が変化した項目をAIが自動で拾い上げる設計の一例です。担当者別のタスク一覧も同じ画面にあるため、誰の手元にどの案件が滞留しているかを、管理職が個別に聞き取らなくても把握できます。

既存環境との連携・移行:多くの賃貸管理会社では、すでに何らかの賃貸管理システムや会計ソフトを使っています。無理にすべてを置き換えるのではなく、物件・契約データはCSVエクスポート・APIで既存システムから取り込み、AI一次対応と問い合わせ管理の部分から先に稼働させる、という段階移行が現実的です。紙やExcelで管理していた修繕履歴や、契約更新・法定点検の期日管理も、稼働後に少しずつ移していく形で問題ありません。

権限・運用ルール:AIチャットの回答元データ(契約マスタ・物件マスタのFAQ項目)を編集できるのは管理担当者以上に限定し、入居者からは閲覧・入力のみとします。回答内容に誤りや古い情報が見つかった場合は、担当者がその場でFAQ項目を修正すれば、次回以降のAI回答に即座に反映される仕組みにします。ベテラン担当者が退職・異動した場合でも、その人が持っていた「この物件はこう対応する」という判断基準を、FAQ項目やナレッジとして基盤に残しておけば、引き継ぎの負担を抑えられます。

定着の仕掛け:担当者側の入力負担を最小化することが、現場で使われ続けるための最重要ポイントです。AIが聞き取った内容はすでに整理された状態でタスクに起票されるため、担当者はゼロから状況を入力し直す必要がありません。また、更新期日や修繕の滞留があれば通知で知らせる設計にすることで、「システムを開いて確認する」のではなく「システムから知らせが来る」運用に寄せられます。

こうした一連の設計は、既製の問い合わせ管理SaaSやチャットボット単体のツールでは実現しにくい部分です。既製SaaSは型が決まっているため、貴社の契約マスタの特約条項や、物件ごとの修繕履歴の持ち方に合わせて回答ロジックを調整することはできません。逆に完全なフルスクラッチで一から作れば実現はできますが、費用も期間も大きく膨らみます。ここから先は、業種別パッケージを土台にしながら貴社の契約書のひな型・物件ルール・問い合わせ履歴に合わせてスクラッチ部分を組み込める、よりどころべーすとゼットリンカーだからこそ作り込める領域です。エンジニアが直接ヒアリングして仕様に落とし込むため、営業と開発の間で認識がずれることもありません。

導入の進め方と、費用をどう考えるか

いきなり全機能をそろえる必要はありません。まずは問い合わせの多い数パターンの一次対応から始め、効果を確かめながら範囲を広げるのが、無理のない進め方です。 受託フルスクラッチだからこそ、貴社の状況に合わせて段階的に組み立てられます。

費用については、よりどころべーすは初期費用298万円〜のカスタマイズ納品型です。決して小さくない投資ですから、回収の考え方を率直に共有します。「人を1人増やすコスト」と比べてみるのが分かりやすい視点です。問い合わせ対応のために夜間・休日のオペレーション体制を厚くしたり、対応専任を採用・教育したりするコストは、年単位で見れば相応の金額になります。AIによる一次対応は、その体制を増やさずに済ませる、あるいは既存メンバーが本来の業務に時間を使えるようにするための投資、という位置づけです。断定的に「これだけ削減できます」とは申しません。効果は問い合わせ件数や内容の構成によって変わるからです。だからこそ、まずは貴社の実際の問い合わせを一緒に見せていただくところから始めたいと考えています。

最短1.5ヶ月で公開できる体制も、最初の一歩を踏み出しやすい理由のひとつです。「思っていたより早く形になった」「まず一部から試せて安心できた」と感じていただけるよう、範囲を絞った小さな導入からご相談に乗ります。管理戸数が増えても人を増やさずに業務を回したいという課題全体については、管理戸数を増やしても人を増やさない仕組み化も参考にしてください。

よりどころべーすでは、賃貸管理会社の入居者問い合わせ一次対応に合わせた業務システムを、貴社の業務フローに合わせて構築します。設備故障の受付から修繕手配・オーナー報告までを、貴社の物件ルールとこれまでの対応履歴をもとに組み立てます。ここに書いた設計はあくまで一般化した叩き台です。実際には御社の契約書のひな型・物件ルール・問い合わせの傾向に合わせて、要件整理から一緒に詰めていきます。「うちの問い合わせ内容で本当に回るのか」という不安にこそ、実際の画面でお答えしたいと考えています。まずはデモ画面を15分ほどでご覧いただけます。不動産管理向けAI業務システムのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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出典・参考:

  • 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(2026年3月公表)https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00062.html
  • 帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)」(2026年2月20日公表)https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260220-laborshortage202601/
  • 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト(業務管理者について/管理業者の業務)」https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/pm_portal/business_manager.html

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