「塗装ラインのシンナーを別メーカーの品に替えた。リスクアセスメントはやり直したのか、記録はどこにあるのか」——労働基準監督署の調査が入った日に、工場長が総務と製造課長に聞いて回る。洗浄剤・塗料・接着剤・切削油を日常的に使う町工場で、起こりやすい場面です。

化学物質の管理は、2023年4月と2024年4月に施行された労働安全衛生規則の改正で、特別規則(有機則・特化則など)に列挙された物質を個別に規制するやり方から、事業者がリスクアセスメントの結果にもとづいて自ら対策を選ぶ「自律的な管理」に移りました。そのぶん、何を評価し、何を決め、どう周知したかを、事業者が記録で示す場面が増えています。

先に、要点をまとめます。

  • リスクアセスメントは、対象物を新しく採用・変更するとき、作業の方法を新しく採用・変更するとき、危険性・有害性の情報が変わったときに行い、物質名・業務の内容・結果・措置の4項目を記録して、次の実施まで(最低3年)保存し、作業者に周知する(安衛則34条の2の7・34条の2の8)
  • ばく露を減らす措置の状況や作業者のばく露の状況は、1年を超えない期間ごとに記録し、3年保存する。がん原性物質は作業歴などを30年保存する(安衛則577条の2第11項)
  • リスクアセスメント対象物を扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、記録の作成・保存・周知も管理させる(安衛則12条の5、2024年4月施行)

この記事は、塗料・溶剤・洗浄剤・接着剤などを扱う製造業の工場長、総務・安全衛生の担当者、化学物質管理者に選ばれた方に向けて、記録の単位と残し方を整理します。個別の物質や作業が規制の対象になるか、どの評価方法が適しているかは、所轄の労働基準監督署や労働局、化学物質管理の専門家に確認してください。

化学物質の「自律的な管理」で、工場は何をしなければならないのか?

リスクアセスメント対象物を扱う事業場は、化学物質管理者を選任し、リスクアセスメントを行い、その結果にもとづいてばく露を最小限にする措置を講じ、記録を作成・保存・周知します。衛生委員会でもその実施状況を審議します。

厚生労働省は、改正の目的を、化学物質による休業4日以上の労働災害の原因物質の多くが特別規則の対象外だったことを踏まえ、事業者がリスクアセスメントの結果にもとづいてばく露防止の措置を実施する制度を導入するものと説明しています(厚生労働省「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」)。

工場で関わる主な義務と施行時期は次のとおりです(厚生労働省 パンフレット「労働安全衛生法の新たな化学物質規制」)。

義務根拠施行
リスクアセスメント結果の記録の作成・保存・周知安衛則34条の2の82023年4月
ばく露を最小限にする措置と、その状況の記録安衛則577条の2第1項・第11項2023年4月(濃度基準値に関する部分は2024年4月)
化学物質管理者の選任安衛則12条の52024年4月
保護具着用管理責任者の選任(保護具を使わせる場合)安衛則12条の62024年4月
衛生委員会での自律的な管理の実施状況の審議安衛則22条11号2023年4月(一部2024年4月)

リスクアセスメント対象物は、ラベル表示とSDS(安全データシート)の交付が義務づけられている物質です。国の分類で危険性・有害性があるとされた物質が段階的に追加されているので、新しく受け取ったSDSに「リスクアセスメント対象物」に当たる成分がないかを確認する作業も、日常業務に入ります。

リスクアセスメントは、いつ実施し、何を記録するのか?

新規採用・変更・作業方法の変更・危険性有害性の情報の変化があったときに実施し、物質名・業務の内容・結果・措置の4項目を記録します。保存は次に実施するまでの期間で、3年以内に再実施した場合も3年間は保存します。

安衛則34条の2の7は、リスクアセスメントを行う時期を次の3つと定めています(e-Gov法令検索 労働安全衛生規則)。

  • リスクアセスメント対象物を原材料などとして新規に採用し、または変更するとき
  • 対象物を製造し、または取り扱う業務の作業の方法・手順を新規に採用し、または変更するとき
  • そのほか、対象物の危険性・有害性などに変化が生じ、または生じるおそれがあるとき

評価は「業務ごと」に行います。同じシンナーでも、塗装ブースでの吹付けと、部品の拭き取り洗浄では、ばく露の程度が違うためです。

34条の2の8で記録が求められる項目と保存・周知の方法は、次のとおりです。

記録する項目保存期間周知の方法(いずれか)
①対象物の名称、②業務の内容、③リスクアセスメントの結果、④結果にもとづいて講じる措置の内容次にリスクアセスメントを行うまで(行った日から3年以内に再実施した場合は3年間)作業場の見やすい場所への常時掲示・備え付け、作業者への書面の交付、作業場で常時確認できる機器を置いて電子データで示す

「SDSのファイルを棚に置いている」だけでは、どの業務を評価し、どんな措置を決めたかが分かりません。記録は「物質×業務」の組み合わせごとに作るのが基本です。

化学物質のリスクアセスメントと記録の流れ。新規採用・変更、作業方法の変更、SDSの更新をきっかけにリスクアセスメントを行い、物質名・業務・結果・措置の4項目を記録して次回まで最低3年保存し、作業者に周知する。措置の状況とばく露の状況は年1回以上記録して3年(がん原性物質は30年)保存し、衛生委員会で審議する。化学物質のリスクアセスメントと記録の流れ。新規採用・変更、作業方法の変更、SDSの更新をきっかけにリスクアセスメントを行い、物質名・業務・結果・措置の4項目を記録して次回まで最低3年保存し、作業者に周知する。措置の状況とばく露の状況は年1回以上記録して3年(がん原性物質は30年)保存し、衛生委員会で審議する。

ばく露を減らす措置と健康診断では、何を何年残すのか?

措置の状況、作業者のばく露の状況、関係労働者の意見を聴いた状況を、1年を超えない期間ごとに記録して3年保存します。がん原性物質では作業者ごとの作業歴なども30年保存します。健康診断の個人票は5年(がん原性物質は30年)です。

安衛則577条の2は、代替物の使用、発散源の密閉、局所排気装置や全体換気装置の設置と稼働、作業方法の改善、有効な呼吸用保護具の使用などで、ばく露の程度を最小限にするよう求めています。一部の物質は、屋内作業場で厚生労働大臣が定める濃度の基準以下にすることも求められます。

記録頻度保存期間根拠
講じた措置の状況1年を超えない期間ごとに1回3年577条の2第11項1号
作業者のばく露の状況同上3年(がん原性物質は30年)同項2号
作業者の氏名・作業の概要・従事期間、著しく汚染されたときの概要と応急措置(がん原性物質のみ)同上30年同項3号
関係労働者の意見の聴取状況同上3年同項4号
リスクアセスメント対象物健康診断の個人票実施のつど5年(がん原性物質は30年)577条の2第5項

措置の状況と意見の聴取状況は、作業者に周知する必要があります。保護具を使わせる場合は、保護具着用管理責任者を選任し、保護具の選択・使用・保守管理を管理させます(12条の6)。保護具の型式や交換の時期も、措置の状況の記録の一部として残しておくと、年1回の記録をまとめやすくなります。

化学物質管理者は、何を管理するのか?

表示とSDS、リスクアセスメントの実施、ばく露を減らす措置、労災発生時の対応、記録の作成・保存・周知、作業者への教育の管理です。選任は事由発生から14日以内で、氏名を作業場に掲示するなどして周知します。

安衛則12条の5は、リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、次の技術的事項を管理させるよう定めています。

  • ラベル表示、SDSの交付・通知に関すること
  • リスクアセスメントの実施に関すること
  • ばく露を減らす措置の内容と実施に関すること
  • 対象物による労働災害が起きた場合の対応に関すること
  • リスクアセスメントの結果の記録と、措置の状況の記録の作成・保存・周知に関すること
  • これらを実施するための作業者への教育に関すること

対象物を製造している事業場では、厚生労働大臣が定める講習の修了者などから選ぶ必要があります。取り扱うだけの事業場では、必要な能力があると認められる人を選びます。選任は個別の作業現場ごとではなく、工場・事業場ごとです。

中小の工場では、総務や品質管理の担当者が化学物質管理者を兼ねることが多く、記録の作成を1人で抱えやすくなります。購買がSDSを受け取り、製造課が作業方法を変え、総務が健康診断を手配するので、化学物質管理者のところに情報が集まる経路をつくることが、記録を続けるための前提になります。

紙のファイルとExcelで管理すると、どこで困るのか?

SDSの差し替え、作業方法の変更、健康診断の結果が別々の担当のところに残り、リスクアセスメントをやり直すきっかけが化学物質管理者に届かないことです。

よくある運用は、購買が新しい塗料を採用したらSDSをファイルに綴じ、製造課が作業手順書を書き換え、総務が特殊健康診断の結果を保管する、というものです。この形で起きやすいのは次のような抜けです。

  • 代替品への切り替えで評価が漏れる: 購買が同等品に切り替えたとき、成分が変わっていても化学物質管理者に連絡が行かず、リスクアセスメントがされないまま使われる
  • 作業方法の変更が評価につながらない: 吹付けからはけ塗りへ、手作業から自動機へといった変更が、手順書の改訂だけで終わる
  • 年1回の記録がまとまらない: 局所排気装置の点検、保護具の交換、作業環境の測定の結果が別のファイルにあり、年1回の記録を作るたびに集め直す
  • 保存期間の管理ができない: 3年保存と30年保存の記録が同じファイルに混ざり、どれを残せばよいかが分からなくなる

扱う物質が数種類で、作業も変わらない工場なら、Excelの台帳で回ることもあります。物質の数が数十に増える、ラインが複数ある、購買と製造で担当が分かれているといった条件が重なるほど、きっかけの見落としが起きやすくなります。

既製の化学物質管理ソフトとの違いは?

SDS管理や含有化学物質の検索に特化したソフトは、物質の情報を集めるのに向いています。購買の切り替えや作業手順の変更、健康診断、保護具の交換までを1つの流れでつなぐ部分は、扱いが薄くなりがちです。

方式費用の考え方向いている範囲
紙のファイル・Excel台帳低コスト物質と作業が少ないうちは回る。きっかけの検知と年1回の集計は手作業
SDS管理・化学物質管理ソフト月額課金や年間ライセンスが中心SDSの保管と検索、法規制への該当の確認、リスクアセスメント支援ツールとの連携
厚生労働省の支援ツール(CREATE-SIMPLE等)無料個々のリスクアセスメントの実施。結果の保管と社内の業務とのつなぎは別に必要
カスタム開発初期298万円〜(よりどころべーすの場合)物質・業務・リスクアセスメント・措置・健康診断・保護具を1つの台帳にまとめ、購買や作業手順の変更と連動させる

評価の実施そのものは支援ツールで足ります。判断の分かれ目は、購買・製造・総務に散らばる「やり直しのきっかけ」と年1回の記録を、化学物質管理者が1か所で追える状態をつくりたいかどうかです。設備の点検記録の残し方は設備点検表・保全記録の電子化、外注先との取引の記録は製造業の外注加工・発注書の管理で整理しています。

私たちなら製造業の化学物質管理の記録をこう設計する

ここからは、工場から化学物質の記録の仕組みづくりを依頼された場合に、私たちが叩き台として示す構成を書きます。台帳の項目や画面は、実際に扱っている製品の一覧と工程表を見せていただいてから確定させます。

データ設計: 物質マスタ×業務(工程・作業)×リスクアセスメント回をひもづける

土台は「物質マスタ」「業務マスタ」「リスクアセスメント回」の3つです。物質マスタは製品(塗料・溶剤など)単位で、メーカー・品番・SDSの版と受領日・含まれる成分・リスクアセスメント対象物か・がん原性物質を含むかを持たせます。業務マスタはライン・工程・作業の単位で、使う物質・作業方法・作業手順書の版・担当する作業者を持たせます。リスクアセスメント回は「物質×業務」の組み合わせごとに1件とし、実施日・きっかけ(新規採用・変更・作業方法の変更・SDS更新など)・評価方法・結果・決めた措置・周知の方法と日付を持たせます。保存期限は実施日と次回の実施日から計算して持たせ、3年保存と30年保存の記録を区別します。

情報の流れ: 購買・製造が「きっかけ」を起票し、化学物質管理者が評価と記録を確定する

購買担当が新しい製品を採用・切り替えるときは、物質マスタに登録する時点でSDSを添付します。リスクアセスメント対象物を含む製品なら、化学物質管理者に「評価が必要」のタスクが届きます。製造課長が作業手順書を改訂したときも、使う物質がある業務ならタスクが届きます。化学物質管理者は評価の結果と措置を入力し、作業場のタブレットや掲示用の一覧に周知します。保護具着用管理責任者は保護具の型式と交換日を、総務は健康診断の実施日と個人票を、それぞれの作業者にひもづけて登録します。年1回の記録は、これらの登録から措置の状況・ばく露の状況・意見の聴取状況をまとめて作り、衛生委員会の資料にします。

AIの回答設計: 「やり直しが必要な組み合わせ」を会話で確認できるようにする

台帳を社内AIチャットの参照先にすると、化学物質管理者が一覧を1つずつ開かずに状況を確かめられます。たとえば化学物質管理者が「今年SDSが新しい版に替わったのに、リスクアセスメントをやり直していない物質と業務の組み合わせはありますか」と尋ねたとします。AIは物質マスタのSDS受領日とリスクアセスメント回の実施日を照合し、「塗装ラインの吹付け作業で使う品番B-200は、SDSの版が9月に更新されていますが、最後のリスクアセスメントは2025年5月です。更新後のSDSと前回の評価記録を添付します」と、根拠のデータつきで返します。

もう1つの使い方が、作業者からの質問への回答です。作業者が「この洗浄剤を使うときの手袋は何を使えばよいですか」と聞けば、その業務のリスクアセスメントで決めた措置と保護具の記録を示します。評価の方法や措置の妥当性、物質が規制対象に当たるかの判断はAIに任せず、化学物質管理者と専門家が行います。

権限・運用ルール: 健康診断の記録は見る人を絞る

健康診断の個人票は要配慮個人情報にあたるため、閲覧は総務の担当者と産業医、必要な範囲の化学物質管理者に限ります。リスクアセスメントの結果と措置は作業者に周知する情報なので、作業場の端末から誰でも見られるようにします。評価や措置の記録を直すときは元の値を消さず、訂正日・訂正者・理由を追記します。

既存環境との連携・移行: 購買システムと手順書の管理はそのまま使う

すでに購買システムや生産管理システムで品番を管理している場合は、品番を物質マスタのキーとして取り込み、採用・切り替えのタイミングだけを連携します。作業手順書は今の保管場所のまま、版と改訂日だけを業務マスタに登録します。過去のリスクアセスメントの結果は、保存期間中のものから順に登録します。

よりどころべーすの製造業向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。今月生産数・不良品率・設備稼働率のKPIカード、生産数の月次推移のグラフ、生産計画確認や原材料発注を含む担当者別の直近タスクが並び、左のメニューに生産計画管理・品質検査記録・原材料在庫管理がある。よりどころべーすの製造業向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。今月生産数・不良品率・設備稼働率のKPIカード、生産数の月次推移のグラフ、生産計画確認や原材料発注を含む担当者別の直近タスクが並び、左のメニューに生産計画管理・品質検査記録・原材料在庫管理がある。

上の画面は、よりどころべーすの製造業向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)です。生産数・不良品率・設備稼働率のKPIカードと担当者別のタスクが並び、メニューには原材料在庫管理と品質検査記録があります。表示されている数値や氏名はデモ用のサンプル値で、実在の工場のものではありません。リスクアセスメントや健康診断の記録の画面は、このデモには含まれていません。実際の構築では、この「原材料在庫×品質検査×タスク」の骨格の上に、上で書いた物質と業務の台帳を載せて作り込みます。

SDS管理ソフトと支援ツールを使っても、購買の切り替えや作業手順の改訂が化学物質管理者に届く経路は、別に用意する必要があります。よりどころべーすは製造業向けのパッケージを出発点に、足りない台帳だけを個別に開発して加える作り方をとります。原材料在庫やタスク管理と同じ基盤の中に物質と業務の台帳を追加できるので、品番の採用・切り替えをそのまま評価のきっかけとして扱えます。要件定義では、エンジニアが化学物質管理者や製造課長から「どの工程で、どの製品を、どう使っているか」を直接聞き取ります。扱う製品が十数種類の工場と、ラインごとに数十種類を使い分ける工場とでは、最初に作る台帳の粒度が変わります。着手する工程の順番も、製品一覧と工程表を拝見しながら一緒に決めます。

まずは工場で今使っている塗料・溶剤・洗浄剤を1つ選び、「最新のSDS」「その製品を使う業務のリスクアセスメントの記録」「作業者への周知の方法」がそれぞれどこにあるかを確かめてみてください。どれかが見つからない、または版が食い違っている場合、その製品は評価のやり直しのきっかけを取りこぼしている可能性があります。化学物質の記録の仕組みづくりについては、お問い合わせフォームからご相談ください。

まとめ|「物質×業務」の単位で記録を揃える

化学物質の管理は、特別規則による個別規制から、リスクアセスメントにもとづく自律的な管理に移りました。工場で記録を揃えるうえでの要点は次の3点です。

  • リスクアセスメントは新規採用・変更・作業方法の変更・情報の変化のときに業務ごとに行い、4項目を記録して次回まで(最低3年)保存し、周知する
  • 措置の状況・ばく露の状況・意見の聴取状況は年1回以上記録して3年、がん原性物質は作業歴などを30年保存する
  • 化学物質管理者が記録を管理するには、購買・製造・総務から「やり直しのきっかけ」が届く経路を先につくる

製造業向けの業務システムの全体像は、製造業向けAI業務システムの詳細で紹介しています。

よくある質問

Q. リスクアセスメントは、毎年やり直す必要がありますか?

A. 安衛則34条の2の7が定める実施時期は、対象物の新規採用・変更、作業方法の新規採用・変更、危険性・有害性の変化があったときです。記録は次に実施するまでの期間保存し、3年以内に再実施した場合でも3年間は保存します。これとは別に、ばく露を減らす措置の状況などは1年を超えない期間ごとに記録します。

Q. リスクアセスメントの結果は、どうやって作業者に周知すればよいですか?

A. 安衛則34条の2の8第2項は、作業場の見やすい場所への常時掲示または備え付け、作業者への書面の交付、作業場に置いた機器で電子データを常時確認できるようにすること、のいずれかの方法を定めています。

Q. 化学物質管理者は、資格がないとなれませんか?

A. リスクアセスメント対象物を製造している事業場では、厚生労働大臣が定める講習の修了者などから選任します。取り扱うだけの事業場では、必要な能力があると認められる人から選任します(安衛則12条の5第3項)。選任は事由が発生してから14日以内に行います。

Q. 30年保存が必要になるのは、どの記録ですか?

A. がん原性物質を扱う業務では、作業者の氏名・作業の概要・従事期間などの記録と、がん原性物質に関するばく露の状況の記録を30年間保存します。がん原性物質に関する健康診断の個人票も30年間の保存です(安衛則577条の2第5項・第11項)。

Q. 新しいSDSが届いたら、リスクアセスメントをやり直す必要がありますか?

A. 安衛則34条の2の7は、対象物の危険性・有害性などに変化が生じた、または生じるおそれがあるときを実施時期の1つにしています。SDSの改訂で有害性の情報が変わっていれば、該当する業務の評価を見直す時期にあたります。改訂内容を確認し、評価のやり直しが必要かを化学物質管理者が判断します。