「見守りセンサーとインカムは入れた。委員会も開いている。でも10月の総業務時間を出そうとしたら、シフト表と勤怠の数字が合わない」——生産性向上推進体制加算を算定している施設で、年に一度の実績報告の前に起きやすい場面です。
2026年度の期中改定で、処遇改善加算に生産性向上や協働化に取り組む事業者向けの上乗せ区分が設けられました。施設サービス等では、生産性向上推進体制加算の取得と実績報告がその要件の一つになっています。加算の10単位・100単位だけを見て後回しにしていた施設でも、委員会と報告の記録を整える理由が増えました。
先に、要点をまとめます。
- 生産性向上推進体制加算は(Ⅰ)100単位/月・(Ⅱ)10単位/月。どちらも、委員会の開催、見守り機器等のテクノロジーの導入、生産性向上ガイドラインに基づく改善活動、年1回のデータ提供が要件で、(Ⅰ)はさらに機器3種類すべての導入、職員間の役割分担、成果の確認が必要
- 加算を算定する場合、委員会は3か月に1回以上開き、利用者の安全とケアの質、職員の負担と勤務状況、介護機器の点検、職員研修の4つを検討する
- 年1回の実績報告では、利用者の満足度等、10月の総業務時間と超過勤務時間、11月〜10月の年次有給休暇の取得日数などを報告する。数字の出どころがシフト・勤怠・アンケートに分かれていることが、記録が揃わない主な原因になる
- 2026年度の改定では、施設サービス等が処遇改善加算の上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を取る要件の一つに、この加算の取得と実績報告が入った
この記事は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム・特定施設・短期入所などの施設長、事務長、法人本部で加算の届出と報告を担当している方に向けて、委員会の記録と実績報告のデータを日常業務の中で揃える方法を整理します。算定できるかどうかの最終判断は、指定権者(都道府県・市町村)の案内で確認してください(本記事の制度記述は2026年11月3日時点で確認)。
生産性向上推進体制加算は、何をすれば算定できるのか?
委員会で安全対策を検討したうえで見守り機器等を導入し、ガイドラインに沿った業務改善を続け、年1回データを提出することです。(Ⅰ)はそれに加えて、機器3種類すべての導入、役割分担、成果の確認が必要です。
この加算は2024年度の介護報酬改定で新設されました。対象は短期入所系・居住系・多機能系・施設系のサービスです。厚生労働省の解説資料では、要件が次のように整理されています(生産性向上推進体制加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)の解説|厚生労働省 老健局高齢者支援課 介護業務効率化・生産性向上推進室)。
| 項目 | 加算(Ⅱ) 10単位/月 | 加算(Ⅰ) 100単位/月 |
|---|---|---|
| 委員会 | 開催し、必要な安全対策を講じる | 同左 |
| テクノロジー | 見守り機器・インカム等・介護記録ソフト等のうち1つ以上 | 3種類すべて(見守り機器は全居室) |
| 業務改善 | 生産性向上ガイドラインに基づく改善活動を続ける | 同左 |
| 役割分担 | 要件なし | 職員間の適切な役割分担(介護助手の活用等) |
| 成果 | 要件なし | 加算(Ⅱ)のデータ等で成果を確認 |
| データ提供 | 1年以内ごとに1回 | 1年以内ごとに1回(報告項目が多い) |
テクノロジーの3種類は、利用者の離床などを感知して職員に知らせる「見守り機器」、インカムやビジネス用チャットツールなど職員間の連絡を速くする「インカム等」、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支える「介護記録ソフト等」です。インカム等は、同じ時間帯に勤務するすべての介護職員が使っていることが必要です。(Ⅰ)の見守り機器は全居室への導入が前提ですが、利用者や家族の意向で機器の使用を止める運用は認められています。
(Ⅱ)を経ずに最初から(Ⅰ)を算定することもできます。その場合も、取組の成果を示すデータを届け出る必要があります。
2026年度の改定で、この加算の位置づけはどう変わったのか?
施設サービス等が処遇改善加算の上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を取るための「令和8年度特例要件」の一つに、生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の取得と実績報告が入りました。
厚生労働省は、令和9年度の改定を待たずに期中改定を行い、処遇改善加算の対象を介護職員から介護従事者に広げました。あわせて、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月0.7万円(2.4%)相当の上乗せとして加算Ⅰロ・Ⅱロを設けています。上乗せ区分を取るための令和8年度特例要件は、次のいずれかです(令和8年度介護報酬改定について|厚生労働省 老健局)。
- 訪問・通所サービス等: ケアプランデータ連携システムに加入し、実績を報告する
- 施設サービス等: 生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を取得し、実績を報告する
- 社会福祉連携推進法人に所属している
申請の事務負担への配慮として、申請時点では加入や取得の誓約で算定できる扱いになっています。処遇改善加算の拡充は2026年6月からの施行です(令和8年度 介護保険施設等管理者研修会(集団指導)資料|茨城県)。
誓約で算定を始めた場合は、生産性向上推進体制加算の要件を実際に整え、実績報告まで進めることになります。処遇改善加算の記録とLIFEの関係は介護の処遇改善加算とLIFE|記録・帳票のデジタル化で扱っています。
委員会では、3か月ごとに何を確認し、何を残すのか?
加算を算定する場合は3か月に1回以上開き、利用者の安全とケアの質、職員の負担と勤務状況、介護機器の定期点検、職員研修の4つを検討します。議事録には、検討した事項と、取組を見直した内容を残します。
入所・泊まり・居住系のサービスでは、「利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会」の設置が義務になりました。3年間の経過措置がありますが、加算を算定する場合は経過措置の期間中でも設置が必要です(前掲の厚生労働省の解説資料)。
加算を算定しない場合は開催頻度を事業所ごとに決められますが、算定する場合は3か月に1回以上の開催が求められます。構成員も、管理者だけでなく、ケアを行う職員を含む幅広い職種やユニットリーダー等の参画が必要とされています。検討する事項は次の4つです。
- 利用者の安全及びケアの質の確保: 見守り機器の情報を基に、機器導入後も利用者の状態が維持されているかを多職種で確認する。機器の使用に起因する事故やヒヤリ・ハットの状況を把握し、原因と再発防止策を検討する
- 従業者の負担の軽減及び勤務状況への配慮: 職員へのアンケートやヒアリングで、心身の負担の増加、負担が過度に増えている時間帯、休憩時間と時間外勤務の状況を確認する
- 介護機器の定期的な点検: 時間を決めて不具合がないかを確かめる仕組みと、メーカー等と連携した定期点検
- 職員に対する研修: 機器の使い方の講習、ヒヤリ・ハット事例の周知、再発防止策の実習。(Ⅰ)では役割分担のための研修も定期的に行う
委員会はテレビ電話装置等で開けます。事故防止の委員会など、ほかの会議と一体的に設置・運営することも認められています。一体で運営する場合は、議事録の中で4つの事項をどこで検討したかが分かるように見出しを分けておくと、後で示しやすくなります。機器に起因するヒヤリ・ハットの集め方は、介護のヒヤリハット・事故報告の仕組み化も参考になります。
年1回の実績報告と、(Ⅰ)の「成果」の確認では何を調べるのか?
実績報告は事業年度ごとに1回、オンラインで厚生労働省に提出します。(Ⅱ)は3項目、(Ⅰ)は5項目です。(Ⅰ)を始めるときは、機器の導入前後を同じ利用者・職員で比べた成果のデータも届け出ます。
報告する項目は次のとおりです(前掲の厚生労働省の解説資料)。
| 項目 | 内容 | 対象と時期 | 報告する区分 |
|---|---|---|---|
| 1. 利用者の満足度等 | WHO-5、生活・認知機能尺度 | 利用者5名程度。実施時期は任意 | (Ⅰ)(Ⅱ) |
| 2. 総業務時間・超過勤務時間 | 介護職員1人あたりの1か月の時間 | 対象事業年度の10月(算定初年度は算定開始月) | (Ⅰ)(Ⅱ) |
| 3. 年次有給休暇 | 取得日数 | 11月〜10月の1年間 | (Ⅰ)(Ⅱ) |
| 4. 心理的負担等 | SRS-18などの調査 | 実施時期は任意 | (Ⅰ)のみ |
| 5. タイムスタディ | 直接介護・間接業務・余裕時間・休憩等の割合 | 日中と夜間、5日間 | (Ⅰ)のみ |
2と3の対象は全介護職員です。(Ⅱ)では、介護機器を使っているフロア等に勤務する介護職員が対象になります。報告様式には人員配置の状況(利用者3人に対する介護職員の常勤換算数)を書く欄もあります。報告は実績報告システムで行い、GビズIDのプライムIDかメンバーIDでログインします。
(Ⅰ)の算定を始めるときは、機器を導入してから生産性向上の取組を3か月以上続けたうえで、次の3点を確認して届け出ます。
- 利用者の満足度等(WHO-5・生活・認知機能尺度)が悪化していない
- 介護職員の総業務時間と超過勤務時間が、導入前と比べて短くなっている
- 年次有給休暇の取得日数が、導入前と比べて維持または増えている
比べるのは、導入前と導入後の両方の調査を受けた同じ利用者・同じ職員です。比較期間中に短時間勤務制度を使い始めるなど、勤務形態が変わった職員は対象から外します。常勤換算の数字をシフトと連動させて持っておく考え方は、介護の常勤換算・人員配置基準チェックを自動化するで解説しています。
委員会や報告の記録が揃わないのは、どこで起きるのか?
総業務時間は勤怠、年休は給与、満足度はアンケート、機器の点検は現場のチェック表と、数字の出どころが部署ごとに分かれているところで起きます。
委員会を開いていない施設は多くありません。困るのは、報告の時期になってから数字を集め直す場合です。よく見かける状態を挙げます。
- 総業務時間がシフトの予定時間になっている: 10月の勤怠実績ではなくシフト表の予定から計算してしまい、残業が反映されていない
- 比べる職員が揃わない: 導入前の調査を受けた職員が退職したり、短時間勤務に変わったりして、同じ職員で前後を比べられない
- 機器起因のヒヤリ・ハットが区別されていない: ヒヤリ・ハット報告はあるが、見守り機器やインカムの使用に関係したものかどうかが記録されていない
- 機器の点検が「やっている」だけ: 日々の不具合確認をしているが、いつ・誰が確認したかの記録がない
- 委員会の議事録に見直しの結果がない: 職員アンケートの結果は配布したが、委員会でどう見直したかが残っていない
- 研修の受講者が分からない: 機器の講習を開いたが、新しく入った職員が受講したかを確かめられない
いずれも、指定権者から求められたときや、処遇改善加算の実績を説明するときに困るものです。数字ごとに「どこから取るか」を先に決め、委員会の議事録とつなげておくと、報告の前に集め直す作業がなくなります。運営指導の書類全体の準備は、介護の運営指導(実地指導)対応、書類準備を日常業務に組み込む仕組みで扱っています。
何を、どの単位で記録すればよいのか?
委員会は開催回、機器は機器×点検日、研修は職員×研修回、業務時間と年休は職員×月、満足度は利用者×調査回を単位にします。
| 記録 | 示すべきこと | 記録の単位 | 残す項目の例 |
|---|---|---|---|
| 委員会 | 3か月に1回以上、4つの事項を検討した | 開催1回ごと | 開催日、出席者と職種、4事項それぞれの検討内容、見直した取組 |
| 介護機器 | 導入し、点検している | 機器×点検日 | 機器の種類、設置場所(居室)、使用停止の有無と理由、点検日、確認者、不具合 |
| 機器起因の事故・ヒヤリ・ハット | 状況を把握し、再発防止を検討した | 1件ごと | 発生日時、関係した機器、原因、再発防止策、検討した委員会の回 |
| 研修 | 定期的に実施し、職員が受講した | 職員×研修回 | 研修日、内容、受講者、欠席者と補講日 |
| 業務時間・年休 | 10月の総業務時間・超過勤務時間、11月〜10月の年休 | 職員×月 | 勤怠実績の総業務時間、超過勤務時間、年休取得日数、勤務形態の変更 |
| 利用者の満足度等 | 悪化していない | 利用者×調査回 | 調査日、WHO-5の点数、生活・認知機能尺度の点数、同意の有無 |
業務時間と年休を「職員×月」で持っておくと、10月の数字も、導入前後の比較も、同じ表から出せます。勤務形態の変更を同じ表に残しておけば、比較から外す職員も機械的に分かります。調査には職員と利用者の同意が必要で、同意が得られない場合は対象にしません。同意の有無も記録に含めておきます。
既製の介護ソフトや機器メーカーのサービスとの違いは?
介護ソフトはケア記録と請求、見守り機器は離床などの通知、勤怠システムは打刻が得意です。委員会の議事録・機器の点検・勤怠の数字を1か所でつないで報告に使う部分は、どれにも収まりにくいところです。
| 方式 | 費用の目安 | 向いている範囲 |
|---|---|---|
| 介護記録ソフト | 月額制(事業所規模・機能で異なる) | ケア記録・請求・計画書。加算(Ⅱ)・(Ⅰ)の「介護記録ソフト等」に当たる製品もある |
| 見守り機器・インカムのサービス | 機器費用と月額利用料(製品で異なる) | 離床等の通知と通話。機器の稼働ログを持つ製品もある |
| Excel・紙のファイル | 低コスト | 1施設で担当者が把握できる規模なら回る。年度をまたいだ前後比較は手作業 |
| カスタム開発 | 初期298万円〜(よりどころべーすの場合) | 委員会・点検・研修・勤怠実績・調査結果を職員名簿と居室・機器の台帳に束ねる |
1施設で職員数が少なければ、上の表の6つのシートを持つExcelでも回ります。複数の施設を運営する法人で、本部が施設ごとの委員会の開催状況や10月の数字をまとめて見たい場合や、処遇改善加算の実績と合わせて説明したい場合に、仕組みにまとめる費用に見合うかを比べる段階に入ります。カスタム開発の場合、ライトプランが初期298万円〜、フルプランが450万円、プレミアムプランが750万円(いずれも税別)、保守は月額10万円〜です。公開までの期間は最短1.5ヶ月です。
私たちなら介護施設の生産性向上委員会と実績報告の記録基盤をこう設計する
ここまでは、加算の要件と記録の残し方の一般論を整理してきました。ここからは、介護施設を運営する法人からこの仕組みづくりを任されたと仮定して、私たちが組む構成を具体的に書きます。項目名や画面の細部は、施設の種別・導入済みの機器・委員会の運営方法を伺ってから詰める部分です。
データ設計: 施設マスタ×職員名簿×居室・機器台帳を軸に、委員会と調査の記録をつなぐ
土台は「施設マスタ」「職員名簿」「居室・機器台帳」の3つです。施設マスタには、サービス種別、算定している区分((Ⅰ)か(Ⅱ)か)、処遇改善加算の上乗せ区分を取っているかを持たせます。居室・機器台帳には、居室ごとの見守り機器の設置と使用停止の有無、インカム等の台数と配布先、介護記録ソフトの利用範囲を登録し、(Ⅰ)なら全居室に設置されているかをその場で確かめられるようにします。委員会の開催記録は、4つの事項ごとに検討内容と見直した取組を分けて持ちます。業務時間と年休は、勤怠システムの実績を職員×月で取り込み、勤務形態の変更日も同じ職員の行に残します。
情報の流れ: ユニットで入力、月末に事務が固定、委員会の前に自動で集計
介護職員は、機器に関係したヒヤリ・ハットを報告するときに「関係した機器」を選ぶ欄を埋めます。日々の機器の不具合確認は、ユニットリーダーが決めた時間にスマホからチェックを付けます。事務担当は月末に勤怠実績を取り込み、10月分は実績報告用として固定します。委員会の前には、前回からの機器起因のヒヤリ・ハット、点検の未実施、研修の未受講者が議題の資料として自動でまとまり、委員会の後に議事録と見直し事項を登録します。施設長は3か月ごとの開催状況を、法人本部は全施設を横並びで見ます。
AIの回答設計: 報告の前に、足りない数字と根拠を一覧にする
報告の準備では、何が揃っていて何が欠けているかを最初に知りたくなります。そこで社内AIチャットを記録につなぎます。たとえば事務長が「今年度の実績報告に必要な数字で、まだ揃っていないものはありますか」と尋ねたとします。AIは施設マスタの算定区分と記録を突き合わせ、「加算(Ⅱ)の報告項目3つのうち、10月の総業務時間は介護職員28名分の勤怠実績が取り込み済みです。年次有給休暇は11月〜10月のうち、9月に退職した1名の扱いが未確認です。利用者の満足度等は、今年度の調査記録がまだありません」と答え、該当する記録を添えます。
もう1つの使い方が、委員会の準備です。ユニットリーダーが「前回の委員会から、見守り機器に関係したヒヤリ・ハットは何件ありましたか」と聞けば、該当する報告を居室と時間帯つきで一覧にし、前回の委員会で決めた再発防止策と並べて示します。取組をどう見直すかを決めるのは委員会で、AIが受け持つのは判断に使う記録を集めて並べるところです。
権限・運用ルール: 報告に使った値を固定し、修正は履歴で追う
業務時間・年休・満足度の調査結果は、報告に使った時点の値を固定し、修正するときは修正履歴として追加します。利用者の調査結果は、調査を担当した職員、委員会、施設長に閲覧を限ります。職員アンケートの回答は個人が特定されない集計値だけを委員会に出し、個票は担当者だけが見られるようにします。
定着の仕掛け: 3か月の間隔と10月の調査月を先に予定に入れる
年度の初めに、委員会の開催予定(3か月に1回以上)、研修の予定、10月の業務時間調査、年1回の報告を予定表として作ります。前回の委員会から3か月が近づくと担当者に知らせ、10月が始まる前には勤怠の打刻漏れを確かめるよう事務担当に知らせます。新しく入職した職員には、機器の講習を「未受講」として最初から登録しておきます。
よりどころべーすの介護事業所向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)。利用者数・今月訪問件数・ヒヤリハット件数のKPIカード、月次推移のグラフ、ケア記録入力や利用者面談などの直近タスクが並び、左のメニューにケア記録管理・利用者管理・ヒヤリハット報告・シフト最適化・スタッフ・シフト・ファイル管理がある。
上の画面は、よりどころべーすの介護事業所向けダッシュボードのデモ画面(サンプルデータ)です。数値や氏名はデモ用のサンプルで、委員会の議事録や実績報告の画面は、このデモにはまだありません。実際の構築では、ヒヤリハット報告・シフト・スタッフ管理が載ったこの骨格の上に、居室・機器台帳と委員会・調査の記録を追加して作り込みます。
委員会の議事録、機器の点検、勤怠の実績、利用者と職員の調査結果を1か所でつなぐ部分は、介護記録ソフト・機器メーカーのサービス・勤怠システムを別々に入れると、製品と製品のすき間を事務担当が手作業で埋めることになりがちな部分です。よりどころべーすは業種別のパッケージに足りない機能だけをスクラッチで足す作り方なので、ケア記録・ヒヤリハット報告・シフト勤怠が同じ基盤に載った状態から、貴法人の委員会の運営や報告の手順に合わせて足りない部分だけを作り込めます。要件を固める段階では、エンジニアが施設長や事務担当から「報告の前に、どの数字をどこから集めているか」を直接聞き取ります。施設の数や導入済みの機器によって必要な画面は変わるため、ここに書いた構成は話し合いの出発点として使っています。
まずは昨年10月の総業務時間を、シフト表の予定と勤怠の実績の両方から出して並べてみてください。2つの数字がずれている理由を説明できるかどうかが、記録の整え方を決める手がかりになります。仕組みづくりのご相談はお問い合わせフォームで受け付けています。
まとめ|委員会と報告の数字を、同じ台帳から出せる形にしておく
この記事で整理した要点は3つです。
- 生産性向上推進体制加算は、委員会・テクノロジー・ガイドラインに基づく改善活動・年1回のデータ提供が共通の要件。(Ⅰ)は機器3種類すべて、役割分担、成果の確認が加わる
- 加算を算定する場合、委員会は3か月に1回以上開き、安全とケアの質、職員の負担、機器の点検、研修の4つを検討する。2026年度の改定で、施設サービス等が処遇改善加算の上乗せ区分を取る要件の一つにもなった
- 業務時間と年休は職員×月、調査は利用者×調査回で持つと、10月の数字も導入前後の比較も同じ記録から出せる
介護事業所向けの業務システムの全体像は、介護・福祉向けAI業務システムの詳細で紹介しています。
よくある質問
Q. 加算(Ⅱ)を取らずに、最初から加算(Ⅰ)を算定できますか?
A. できます。厚生労働省の解説資料では、加算(Ⅱ)から(Ⅰ)への移行のほか、最初から(Ⅰ)を取得することも可能とされています。その場合も、生産性向上の取組の成果を示すデータ(利用者の満足度等、総業務時間と超過勤務時間、年次有給休暇の取得状況)の提出が必要です。
Q. 委員会は、事故防止の委員会と一緒に開いてもよいですか?
A. 一体的に設置・運営することが認められています。加算を算定する場合は、3か月に1回以上の開催と、利用者の安全とケアの質、職員の負担と勤務状況、介護機器の点検、職員研修の4つの検討が必要なので、議事録の中でそれぞれを検討したことが分かるようにしておきます。
Q. 実績報告の総業務時間は、どの月の数字を使いますか?
A. 対象事業年度の10月における、介護職員1人あたりの1か月の総業務時間と超過勤務時間です。算定を始めた初年度は、算定を開始した月が対象期間になります。年次有給休暇は、報告前年度の11月から報告年度の10月までの取得日数を集計します。
Q. 見守り機器は、すべての居室に入れる必要がありますか?
A. 加算(Ⅰ)ではすべての居室への導入が必要で、加算(Ⅱ)は1つの居室への導入でも算定できるとされています。(Ⅰ)でも、利用者や家族の意向に応じて機器の使用を止める運用は可能です。
Q. 処遇改善加算の上乗せ区分は、生産性向上推進体制加算がないと取れませんか?
A. 令和8年度特例要件は、施設サービス等では生産性向上推進体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)の取得と実績報告のほか、社会福祉連携推進法人への所属でも満たせます。申請時点では取得の誓約で算定できる扱いです。自施設の取り扱いは指定権者の案内で確認してください。
